パリでコーヒーが頼めない
今週火曜日は銀行へ。
LCL オペラ支店は日本語担当者(複数)がいることで有名なようで、夫の先輩のおススメに従い、何もわからないまま伺う。
受付で日本人に出会って感動!こんなに自分の民族と出会って嬉しかったことはない。
実は夫と法的には結婚していないことや、そのため現在は語学学校学生であること、ネットのフランス語の案内に従って口座開設を試みるも、職業を記載する欄があり、開設にまでは至らなかったことをを日本人の受付の担当者にまくしたてたところ、
「(表情ひとつ変えずに)ちょっと待ってください。まず、ネットでは口座開設はできません」
ええ?なんで?フランス語でできるって書いてあったぞ。トリッキーな国、フランス。
そのあとは冷静に今後の手続きを口頭&ミニミニプリントで説明してもらう。
このあたりは口座開設が完了した暁に別の記事でまとめようと思う。
あー良かった、やっと必要書類がわかった。
ネットで調べても必要書類がケースバイケースでマチマチのようで、しかも、どのようにして「ランデブー」(死語ではありません、「面談」の意味)を予約できるのかわからなかったのだ。
どうやらこの国、お役所系・病院系(銀行は役所ではないけれど)は、予約(「ランデブー」)がないと対応してもらえないようなのだ。
うーん、仕事する側の時間コントロールが徹底しているなあ。
今回の銀行の件は、受付で書類案内の後、次週の予定で「ランデブー」を組んでもらえた。
それにしても「ランデブー」という言葉を使うたびに、ポケモンか、デブなオッサンが頭に浮かぶのはなぜだ?
とにかく、銀行の一件が明らかになってホッとしていたらその夜、ノドがイガイガし始め、2日後には鼻が痛くなってきて、どうやら風邪を引いてしまったようである。
ちなみに、日本からの日通の引っ越し荷物(夫の分と合わせてダンボール22箱!)が届いたのも最初のノドイガイガから2日後。
パリに引っ越してきてそろそろ1ヶ月。疲れも出る時期か。
6日経った今も、「なんとなく風邪」の状態が続いている。
ちなみに、夫も同時期に風邪を引いており、時間軸から言うと、私が風邪をうつされたという状態。
しかし、風邪だろうがなんだろうが、気合いで楽しもうとする夫。
ルーブル美術館に朝イチで行こうと誘われ、前日の飲みで疲れていたが、体を引きづって行くことに。前夜は(というか早朝は)飲みだったので疲れており、夫の基準からすると多少寝坊。朝9:00開館と共に駆け込みたかったようであるが、この時点で断念。
朝ごはんを食べ、家を出たら「黄色いベスト運動」のせいで、凱旋門の駅(シャルル・ド・ゴール・エトワール)が閉まってる!
一駅前で降ろされた私たちは、別の路線の駅まで10分ほど歩き、そこからルーブルへ。別路線のルーブルまでの駅は3駅ほどあったが、それも全て通過。日本で言うところの快速急行/特急のような感じ。デモ対策、徹底してるなあ。
無事ルーブルに着いた時には10:00。館内が人で溢れているのを見て夫、
「朝イチで来れたらこんなに人いなかったのになあ」ごめんなさい。
オーディオガイドを5ユーロで借りた。ニンテンドーDSにガイドが入っていてカッコいい。
が、首にかけると重い。しかも、一緒にもらえたのはヘッドフォン。さらに重い。
入館2時間経過後の12:00になるまで、ヨーロッパ中世のキリスト教絵画、イタリアルネッサンス前・中の絵画を見た。夫、
「今日は西洋絵画だけを見るつもりだったけど、無理かな」とのこと。
1、2階分が西洋絵画に当てられているようだったが、昼までにどうやら1/4も見終わっていないようである。さすが宮殿。
カフェでひと休憩。結構混んでいるけれど、席を案内するスタッフがいて、効率よく割り当ててくれる。
しかし、ここで私はコーヒーを頼む大変さを実感。
私は濃いローストコーヒーが好き。
フランスのカフェで出てくるカフェラテ(「カフェ・クレーム」と言う)は、なんだか水っぽくて薄い。
ヤマザキフランスでカフェ店員をやっている夫が言うに、
「カフェクレームはエスプレッソにミルクを入れているはずだから、エスプレッソとミルクを別にしてもらったら?たまにお客さんでそういう風にオーダーしてくる人いるよ」
とのこと。
でも、その語学力は私にあるか?
ヤマザキフランスに挨拶がてら訪問した際、夫に頼んでコーヒーとミルクを別にしてもらった。
あまりミルクを入れると味が薄くなることをすっかり失念、結局カップにミルクを(いつも通り)大目に入れてしまった。これでは分けた意味がない。
近所のカフェでカタコトのフランス語でエスプレッソとミルクを分けてもらうようオーダー。今度はミルクの量を控えた。
すると夫、
「それしかミルク入れないとすると、ミルク料金支払っているのにもったいない。それならエスプレッソに泡のミルクを入れた「ノワゼット」というのがあるから、それを試してみたら?」
とのこと。
どうやら、カフェクレーム(カフェラテ)は5.5ユーロから6ユーロくらいするのに対し、エスプレッソは2ユーロ、ノワゼットは2.5ユーロくらいのことが多い。ただ、ノワゼットはベースがエスプレッソなので、小さいカップ(おちょこサイズ)に入って出てくる。
コーヒー自体の水分量が減るのは残念だけれど、コーヒー濃い味&ミルク感も欲しいなら、良いのかも。
別の近所のカフェで試すと、これは美味しい。
もう、今後フランスでコーヒーをオーダーするときはノワゼットだ!
と意気込んでいた。
が、しかし、である。
ルーブル美術館のカフェで夫がノワゼットをランチセットでオーダーしてくれたところ、店員、
「ノワゼットでも、(ランチセットなら)この小さい(エスプレッソ)カップでは出ないわよ。これで(日本スタバのショートより少し大きめ)で出すけどいい?」
とのこと。
いいじゃん、量の少ないのが(私にとっての)ノワゼットの欠点だったわけだから、普通のカップの大きさになるなら大歓迎!
と思っていたところ、一番大きいカップ(日本スタバのトールサイズとグランデの間のサイズ)で出てくる。あれれ?
↑左が夫のオーダーしたエスプレッソのカップ。右が私のカップで、このお店の一番大きいカップ。本来はその間のサイズで出てくるはずだった!?
ベーグルサンドに入ったマスタードが大量すぎて、ドロドロお皿や私の膝に落ちてくるのと格闘。
ひと息ついてノワゼットを一口飲む。
???
これっていつものカフェクレーム(カフェラテ)をほんの若干濃くしたくらいのものじゃないか?
夫にも飲んでもらう。
「これはカフェクレームだねえ」
どーゆーこと?
記憶を呼びおこしても、店員さんが「ノワゼット」と復唱していた。いい加減な夫も、それは覚えていたようである。
夫と状況をリプレイ。
店員さんは2段階でミスってる。
まず、真ん中のカップサイズ(日本スタバのショートサイズより少し大きめ)を指差して
「このサイズで出るわよ」
と言っていた。(実際は一番大きいサイズのカップで出てきたから)カップサイズ間違いだ。
次に、商品の中身だ。これはノワゼットではない。カフェクレームだ。のはず、、、
夫の分析。
「自分もそういうところあるけれど、フランス人は相手の指示内容を額面通りには受け取らず、自分の価値観で判断する。だから結果的に相手の指示に従わないことが多い。」
「今回のケースとしては、ランチセットではカップのサイズが大きいものを出すことになっていることと、ノワゼットがエスプレッソ+ミルクであることを加味して、カフェクレーム(カフェラテ)にした。」
じゃあどうすれば私の好きなコーヒーが出てくるの?
「濃いコーヒーが好きだから、エスプレッソにほんの少しのミルクを足してくれ。でいいんじゃない?」
じゃあ「エスプレッソにほんの少しのミルクを足した」状態を表す、「ノワゼット」の単語が存在する意味はないじゃない?
「ノワゼットという単語が曖昧なんだと思うよ。カフェや店員によって多少解釈が違うのかもしれない。」
ええええええええええ
夫、最後のひと刺し。
「フランス人は、自分の欲しいものがはっきりしているから、相手にこれでもか、という細かい要求をする。だから、ヒロもそうすべき。逆にいうと、今回のコーヒーが欲しいものじゃなかったら、「私の要求通りじゃなかった」と文句をつけて、変えてもらっても良いんだよ」
私、
「でもせっかくコーヒー入れてもらったのに、もったいないじゃん」
夫、
「もったいない、という発想はこっちの人はもってないから」
そうですが、、、
どこまでもトリッキーな国だ。
コーヒーを頼むのも一苦労だ。
やれやれ。
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