ニート in パリ - 行けっ森蔵!

偶然フランスはパリに移住することになった30代女子の生活。なぜか画家のベルト・モリゾに惹かれている。

フランス学生ビザ更新の悪夢④

6/24(月)月曜日の夜、怒りと絶望にかられて、ネパール系オーストラリア人のお友達(ここではサリーと呼ぶことにする)とチャット。

 

彼女はフランス人マダムがオーナーのAir B&Bに泊まっていて、そのマダムと親友になったらしく、困った時はマダムに聞いてあげると言っていた。


今はアムステルダム観光中のサリーは早速マダムと連絡をとってくれ、電話番号をくれた!

マダムは普段朝は10:00起床らしく、10:00以降なら連絡がつくのではとのこと。


10:40ごろ連絡。フランス人は片言でもフランス語を話すと喜ぶので、やってみる。

「ボンジュール、ペリー(マダム名)!ヒロコです。」
「ボンジュール、ヒロコ!サバ?」
イワシ!」

 

ではない。

「サバ?」は「元気?」という意味だ。
(古典的なギャグなのは分かるけれど、どーしても言ってみたくなる。フランス人相手に「ノン(いいえ)、イワシ」とか「アユ」とか言ったらどーなるんだろう?)

 

「ウィ(はい)、サバ。ペリー、ジェ アン プロブレム(問題があるんです)」
「ディ モワ(言ってみなさい)。セ ル シェック?(小切手の件だって?)」

ペリーは実は英語を話せるので、どこかで英語に切り替えようと思っていたのだが、タイミングを失った。

なんだかフランス語縛りになったみたい。

困った。
とりあえず片言で個人間の小切手のやり取りはできないものなのか、聞いてみる。

 

「いいや、普通よ。」(これ以降も全部フランス語。やれやれ。)
「あなたと、あなたのボーイフレンドの口座はどっちもフランス国内のものよね?」
「はい、そうです。」
「じゃあうまくいくはずよ。なんで受付にきいたの?」
「残高証明する書類が欲しいので。」
「小切手受取用の機械があるから、そっちの方が楽よ。」
「そうなんですか?」

 

ということで、ペリーさん、やり方を口頭で教えてくれる。
なんとなくわかる気がする。


「口座残高証明書も出せるんですかね?」
「機械でやれば、レシートがでるわよ」
うーん、それとは別なんだが。私のふランス語では伝わってないな。ま、しょうがないか。


「うまく行ったかどうか、教えてね。あと、どーしても無理なら、午後は15区にいるから、一緒に店頭でやってあげるわよ。」

 


1時間後、灼熱の太陽が燦々と降り注ぐ中、銀行に行ってみた。
事前にネットでインストラクションを調べて行ったので、やってみる。
ん?
小切手受取的なメニューがない。
3台ある機械を全部やってみたけど、ダメ。
あれれ?

 

ペリーさんの親切さに甘えてもう一回電話。
でも13:00前に出かけちゃうって話、すっかり忘れてた。電話したのは12:30。
「ボンジュール、ペリー!あのう、今、銀行なんですけど。機械に小切手受取のメニューがないです。」
「小切手専用の機械があるはずだから。」
「いやあ、なさそうなんですけど。」

「店員に聞いてごらんなさい。」ガチャ。

あれれ。なんか今回は素っ気ないな。
そっか。出かける直前だったからか。

 

店員さんに聞いてみると「うちは手動でやってるから。あそこのポストに小切手入れておいて」とのこと。

それってオペラ支店と一緒じゃん。
まあいいか。
とりあえず入れておこう。

 

後にマダムペリーとお友達のサリーに報告。

 

実はこの火曜日の朝、6:30に起きて日本のクレジットカード会社に連絡。
Transferwiseへの支払いで止められていたことを確認。理由はセキュリティー
しかも、日本時間の深夜3:00ごろの送金だったらしい。
それって確かに怪しく見えるね。
月曜日の夕食前にやってただけなんだけど、、、

ロック解除してもらってから、2枚のカードで、2回に分けて送金。
これで要件金額の半分にはなった。


ネットで調べてみると、家賃支払をしていない人は315ユーロ×12ヶ月で良いとのこと。
賭けではある。
夫からの小切手が足されれば、私の口座残高は要件を満たす。

 

6/26(水)1日待ってみる。
ビザのことを考えなくて良い日はなんて素晴らしいんだろう。

 

 

6/27(木)朝。9:30ごろLCL銀行オペラ支店受付に連絡。
朝は特に電話が混んでいるのか、なかなか繋がらない。
合間合間にフランス語で何かアナウンスがあるが、よくわからず。
やっと取ってくれたと思ったら明らかにフランス人女性!
なんで?
もしかしたらどこかの支店に繋がったんだろうか。
また片言で話さないといけないじゃないか!
「ええと、ビザ更新用に残高を証明する書類が必要なんです。」
「それなんていう名前?」
「ううーん、Attestations Bancaireみたいです。」
「それじゃ分からないわね。自分の支店の担当者に直接話したほうが良いわよ。」
「ちょっと待ってください。今、ここにビザ更新用書類リストがありますから。ええっとー

と経済力に関する部分を読み上げる)」
「それ、書類名言ってないわね。移民局に一度確認してみて。」


ええええええー
もう何だよ。
そういうリクエスト受けたことないのかよ。

 

お客の要望が分からないんじゃなくて、むしろ仕事をいかに断れるかしか考えてないだろ。

 

もう一つLCLオペラ銀行受付の番号を見つけて、かける。
ささっと日本人女性が取ってくれる。が、
「私、ただ今接客中でして、ほかの者も接客でおりませんので、後ほど担当者からかけ直させますね。」
「いや、それ絶対かかってこないパターンだね」と夫が横でツッコミを入れている。

 

しかし15分後に口座開設をしてくれた男性(ここでは伊藤さんとしておく)から連絡。

「ヤマモトさん、小切手の件ですかね?」
「いや、今回は残高証明書発行をお願いしたくて連絡したのですが。」
「そうですかー。今ですね、武藤さん(夫の苗字、一旦これにしておく)からの小切手が、私どもの本店から問題視されているんですよ。ご関係は何ですかね。」
「同居人で、今は彼が稼いでいて、生活費を支えてもらってます。」
「なるほど。そうですか。今回の小切手は何のためですかね。」
「生活費の支給です。それがあることによって、私のビザ更新もスムーズになりますし。」
「そうですか。でもね、本店から問題視されているんです。」
「わかりました。じゃあ、今回は一旦その小切手やめていただいて、口座残高証明書を先に出してもらえませんかね。」
「それはできないですね。もう小切手が問題視されているんで。」
「なんでできないんですか。」
「口座が健全に動いていることを証明しないといけないんですよ。ヤマモトさんこの口座使ってますかね?」
「いや、元々アルバイトを今後するかなと思って作った口座で、今はまだしていないので、動きはないですね。」
「そうですかー。」
「それがおかしいってことですかね?」
「小切手の件が問題視されているので、今口座残高証明書は出せないですね。」
「『おかしい小切手収入が有りました』みたいな記載が載ってしまうってことなんですか。」
「いやあ、それはないんですけど。」
「じゃあ、小切手取り消ししてもらえればいいんじゃないですか。」
「いやあ、できないですね。」
「ええええええええー困りますね。来週月曜日に面談なんですから。口座残高証明書どうしても欲しいんですよ。行けないってことですか。」
「難しいですね。」
「ええええええー。」


とこの先、永遠と私がダダをこねる。伊藤さん
「まあ、本店にこの結果を連絡してみますけど。早くて月曜日ですかね。」
この時点で私の面談予約日7/2は月曜日だと思い込んでいる私は絶望。

とりあえず伊藤さんに対応お願いして電話をきる。

 

ビザの更新方法を助けてくれた夫と同じ職場のりりこさんに一部始終報告。
実はりりこさんはこのブログを読んでいてくれて、昨日、フォローの電話もチャットもくれていた!

なんて良い人なんだ!

私の書き方のせいで、どうやら今の「てんやわんや」はりりこさんにも責任があるように思わせてしまったらしく。
本当に申し訳ない。
私の詰めの甘さのせいです。

 

 

フランス銀行口座にお金を入れるのが、ここまで複雑だとは思っていなかった。

夫から(彼の経験則で)フランスでは小切手で相手に高額のお金を渡すのは普通と聞いていたし、小切手の受取は1日2日かかるって聞いてたから、サクっとお金を借りて、サクっと残高証明書出してもらおうと思ってた。

 

実際はすごい大騒ぎ。
夫も私も怪しいことは何もしていないのに。
ただ法的に結婚していないから、他人同士の高額受け渡しみたいに見られてしまった。


酷い。

 

夫の目の前で愚痴吐きまくり。
午前中に予定していたコーチングはこの事態がどうなるか分からないから、キャンセル。

(Facebookで知り合った女性に、コーチング(カウンセリングみたいなやつ)してもらってます。私が彼女がコーチとして独立するための実験台になることから、無料。)

 

 

もしかしたら両親にも無心しないといけないことがあるかも、と思い、LINEでチャット送信&電話。
母に愚痴。


「そんなに大変なの?お父さんが『ヒロコは本当に帰ってくるかもしれない。旅費を出してあげないといけないか』って言って心配しているわよ。」
「でも、もう9月からのジュエリー学校120万円払っちゃってるし。フランス人相手に返金してって交渉するのもまた大変だし。」
「お母さんも『ヒロコは楽しい学校がまだあるから、帰ってこないんじゃない?』って言っておいたわよ」
「ありがとう。でも本当に帰りたい。」
「あーあ、もうフランス行く時点で結婚しちゃえばよかったのにね。」
「でもしたくないんだよ、今後、何に自分が巻き込まれるか分からないしさ。」
「でもその時はその時に対応すればいいじゃない。」
「対応したくなかったらどうするの。」
「離婚しちゃえば。」
「いやあ、それは無理でしょう。」
「そっかあ」

 

母が父に対する不満をぶちまけているのを子供時代に見ていて、結婚は厄介だと思っていた。
夫のことは好きだが、愛だけじゃあやっていけないのが現代の結婚のシステム。

 

「本当にヤバい時は無心しちゃうかも。ごめんなさい。そういうつもりでフランスに来たわけじゃなかったんだけど。」
ポロポロ涙が出てきた。電話口で平静を装う。


「お父さんも引退だからね。お金があるわけじゃないけど。できる限りのことはするから。」
「わかった。本当にありがとう。」鼻声は隠せない。


「海外に住むのって、本当にお金がかかるんだねえ。」
「でも、ヒロコの気持ちが大事だからね。」
「ありがとう。とりあえず、ジュエリー学校は行くから。」
「いつまでなの?」
「来年9月まで」
「じゃあ、お父さんにはそう言っておくわ。」

 

社会人10年やってるのに、今更親に頼るなんて情けない。
もう旅行保険も住民税も出してもらってるのに。

 

フランスの行政システムのせいで、心はボロボロだ。

 

夫には来年9月で日本に帰国することを宣言した。

「僕としては結婚してほしいけど。その方が楽だし。でもヒロは嫌なんだよね」
夫まで悲しんでいる。


フランスめ、おまえはクソだ。

 

海外帰りの日本人女性が、よく
「ほんと日本って良い国!」
「やっぱ自分は日本人!」
みたいな感じで、自国熱愛になっているのを見て、すごいひいていた。

日本のバラエティー番組が、外国人に「いかに日本は素晴らしい国か」を言わせるのも嫌悪。

 

でも今ならよく分かる。
日本って良い国だ。

 

それに、冷静に考えても、よっぽど政治腐敗や戦争が無い限り、自国に住むのが一番利にかなってる。

 

日本に居場所はないと思って、
日本人とは性格的に合わないと思って、
ずっと自国に嫌悪感を抱いていた。

 

でも、フランス滞在が終わる時には、熱狂的な愛国者になっているかも。


過激派になるかも。

 

それはちょっと危ないか。

 

 

 

 

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