ニート in パリ - 行けっ森蔵!

偶然フランスはパリに移住することになった30代女子の生活。なぜか画家のベルト・モリゾに惹かれている。

学校閉鎖につきCAP試験中止ですと?

f:id:hyper21:20200406191757j:image

まだまだフランスでは外出禁止が続いている。
学生は今日からバカンス。

外出禁止中で、先週も先々週も学校は閉鎖、宿題的なもの(強制ではない)しか出ておらず、オンライン講義はないため、今日からのバカンスは私にとっては通常どおりだ。
 
先週末、私にとっては衝撃的なニュースがあった。


なんと、大学受験資格のバカロレアも、職業高校卒業資格のCAPも(私が受けようとしているのはこっち)、試験は中止、内申点での判定になるそうなのだ。
クラスメイトのグループチャットの中で数名がガヤガヤ話しているのを見ただけで、最初は訳がわからなかった。何せフランス語なのだ。

夫に教えてもらった翻訳サイト(DeepL)で確認、やっとお上からの試験中止のお達しが出たのだと判明した。
 
実技の先生に質問中、
「昨日のCAPに関するニュース見て驚いていますが、練習は続けますね。」と宣言してみた。
「え、私まだ見てない。どんなの?」と全く知らない様子。
ニュースの記事をシェアすると、
「あー、ウチらの学校は内申点ってものがないから、結局何かしらテストはすると思うけど、時期的にはもっと先にはなるだろうね」とのこと。
 
喜んでいいのやら、悲しいのやら。
 


喜び:
- もう一般科目(英語、フランス語、数学、化学・物理、歴史・地理)をやらなくていい!(たぶん)
- 私の彫金技術レベルは明かにCAPで求められているレベルには及ばないので2ヶ月後の6月にテストされても困る。助かった!
- もう自宅に篭ってゴリゴリ受験勉強しなくてもいいんだ!(といってもグラフを書くとそこまで勉強してないんだけど、、、)
 f:id:hyper21:20200406192628j:image


悲しみ:
今までの学習進度(クラスでは中くらいのスピード)や、技術レベル(仕上がりが極めて雑)を先生が認識したまま、テストが行われる
=採点時も先生に「あー、またヒロコ汚い作品作ってるな」と思われる
=(CAPの試験のように)審査官が私の来歴を知らずに、作品だけ見て判断してくれる、ということがない
=テスト当日に下克上はできない(どうせ元々上手い生徒は高得点を取り、下手な生徒はそのまま低い点数をとる)
=フェアじゃない
 
 


もちろん、ゴリゴリ受験勉強するのはキツい。
ちょっとくらい遊ばせてくれよと思う。
しかし、ここで努力しておいたら(ほかのフランス人生徒はほとんど勉強・練習していないようなので)、外出禁止・学校閉鎖明けに技術力がアップして大逆転も望める。
なら、ちょっとくらい苦しくても頑張ろう。
と、半ばスポーツのように考えていた。
 


しかし、今となっては先生の不安定な精神状態と(ええ、フランス人は気分屋が多いのです)、先生のえこひいきでCAPの結果が決まるのだ。
 
こんな不条理なことってあるか。


 
現状としては、私は嫌われてはいない。
数名の先生は頑張りを評価してもくれている。

しかし、私の作り上げるものが雑であるという認識は先生たち全員共通で持っているようだ。


ならば、どうやったら綺麗に仕上がるのか、やり方を教えてくれれば良いのに!!
所詮、先生たちは「指導者」より「アーティスト」なのだろう。
「そいつに出来ないものは出来ない」的に考えているのだろう。


 
だから、この学校は嫌なのに!
だから、下克上してやろうと思ったのに!
 
目標を失って、不条理な試験が見えて、やる気が一気になくなった。
 
ここ数日はジュエリー実技練習は1時間ほどするものの、折り紙をしたり、夫のお店の仲間と椅子ヨガをやったり、朝は二度寝したりして、ふてくされていた。
 


夫曰く、
「人間的評価としては悪くないはずだから、今後も先生へのゴマすりをより重点的に行っていく。そして、フランス語能力を上げておく。」
とのこと。


そう、夫は家族・世の中の荒波をのらりくらりとサーフィンしてきた人。
何がポイントで、何をやらなくて良いか、心得ている。
夫は私が落ち込んでいるのが解せないみたいだ。

そうでしょうね。
夫は何せ、最低限の努力で最大限の成果を得るのが得意なのだ。
 


私は最大限の努力で最大限以上の結果を産みたい。
自分でいうのも微妙だが、勉強においては試験本番には強い方で、練習で出せない力を出してきた。

これも相当ガリガリ勉強してきたからだと思っている。

 
しかし、大人になってガンガン試験に落ちる。
英検一級(2度失敗、落ちっぱなし)

簿記三級(2度失敗、落ちっぱなし)

世界史検定(趣味で大学一年生の時に受けた)

人事系の検定(名前忘れたけれど、過去問が世の中に存在していなかった)

社労士(3度受けて落ちっぱなし)。


私の旧式の勉強方法はとにかく時間を勉強に注ぎ込むこと。
しかし、社会人は時間がないのだ。
でも、旧式のやり方をどうしても変えられなくて、試験に落ち続けた。
 
何せ、理屈が分からないと前に進めないタイプで、人より物事の理解に時間がかかる。
夫の「ポイントを押さえて山掛け」方式だと、理屈をすっ飛ばすことになるので、非常に居心地が悪い。
 
いずれにせよ、大人になって子供の頃のように時間がない今、やり方を変えなければいけないことは明かだ。
 
何度も何度もそんな曲面があったのに、自分を変えられなかった。
 
そして今回、試験自体がなくなるという最大のアクシデント。
 


フランスって国は。
全くこちらに心の準備をさせてくれない。
 
まさか、フランス人クラスメイトが全く勉強していなかったのは、この自体を予想していた?
 
確かにね。
 
具体例は今回以外に思い出せないけれど、フランスって、困ったときは結局お上がどうにかしてくれる国な気がする。

だから、日本人みたいに頑張らなくてもどうにかなる。

日本だったら、試験をなくすという対応はしないはず。多少難易度は下げるかもしれないけれど。
 
ちなみに今まで学校で、フランス人が本気で頑張って勉強しているところすら見たことがない。

いつも授業中は何の授業であれ、悪びれずに大越で雑談している。

もしかしたら努力というものが何なのか、教わっていないのかも。
 
まあ、努力に疲れた日本人にはフランスはオアシスかも。日々の生活の不便さに耐えられれば。
ネットを見ても、結構な数のブログが、
「日本人は頑張りすぎ。フランス人みたいに賢く力を抜いて、不便な中を工夫しながら生きていけば良い」
と言っている。
 


常に自分を進化させて、常に前に進みたい私は全く共感できない。
 
 

                                                                    **********


「こんな時は、さんさんと注ぐ太陽を浴びた方が良い」
と、最高に天気が良い中を外出許可証とスーパーの買い物袋を持って外に出た。
 
昨日は外出禁止が嘘のように、エッフェル塔周辺は近所の住民と思われる人たちで溢れていた。
みんな1人か2人で散歩していたり、グラサンしてベンチでまったりしていたり。
 
やっぱ、世の中そんなもんか。
 

f:id:hyper21:20200406192947j:image
 
 
 
★当ブログではリアルなパリ生活を配信しております★
★こちらのインスタグラムでは「キラキラしたパリ生活」を配信しております★
Http//www.instagram.com/hiroko87yamamoto