ニート in パリ - 行けっ森蔵!

偶然フランスはパリに移住することになった30代女子の生活。なぜか画家のベルト・モリゾに惹かれている。

人間模様とクレーマー認定と良いフランス人と

人間というのは本当に面白い生き物だ。
 
今まで外国人コミュニティにて色々な人に会ったり、チャットでやりとりしてきた。
チャットで感じが良くて距離が近いような印象があっても、実際会ってみると距離が遠く、警戒心が強い人だったりする。
チャットで馴れ馴れしくキモイ系でも(失礼。でも第二言語の英語を使っていればお互いキモくもなりうる?)、実際会うと不器用だったり、冷静な人だったりする。
また逆も然りだ。
チャットでそっけなくても、実際に会うとすごく良い人だったりする。
 
最近知り合った人が
「もし和食を振る舞うパーティーを外国人コミュニティ内でするなら、うちを使っていいよ!私も毎回参加したいしね!!」
と言ってくれたのだが、後日、冗談まじりに
「そーいや、あなたのお家使わせてもらわなきゃだね!」
と言うと、当人、
「いやあ、赤の他人はうちに来てほしくないよね。ヒロコが知ってる人で、良識ある人だけにしてよ」
とのこと。
以前とのテンションの違いにびっくり。
言動の一貫性を求めてしまう私は、他人に対する期待値が高過ぎるのだろうか。
 
               *****
 
フランス語授業を今はZoomを使って受けている。
夜の授業の先生がいかにもミーハーなおばちゃんという感じで面白いのだが、生徒のレベルが初級寄りで、流石の私もちょっと易しすぎるかも、と思っていた。
しかし、数日前の授業で、そのオバチャン先生が選んだリスニング教材が栄養学の話で、チンプンカンプン(チンプンカンプンという死語を使いたくなるくらい意味不だった)。

質問されたので、
「いやあ、ちょっと聞き取れなくて。文章を先にもらっても良いですか?」
とお願いしたところ、なぜか別の生徒が
「いや、必要ないでしょ。」
と止めに入り、先生もそれに引きずられて
「あら、そう」
と引き下がってしまった。


その生徒の発言が信じられず、ビデオをミュートにして相方相手にキレていたところ、また別の生徒が
「ちょっと分からないですね」
と発言。
するとさっきの生徒が
「いや、簡単だから。分かるでしょ。ヒントとかいらないでしょ」
と、またマウンティング。


再びミュートでキレる私。
相方「お客さんとしてクレームつけたら」とのこと。

確かに、マウンティング発言した女の前で授業中にキレても授業崩壊するだけなので、後でクレーム入れた方がいいか。
 


ということで、翻訳サイトを使ってフランス語でクレーム。
「失礼な生徒の発言をいなしてほしい」
「失礼な生徒の言いなりにならず、ちゃんと生徒の質問対応をしてほしい」
「クラスをコントロールしてほしい」
 
ここで、昔の人事チームの職場で使っていた
“Shit Sandwich”
を思い出す。
「部下や同僚にフィードバックを与えるときは、まず、うまく行っている事をちゃんと伝えて安心させてあげて、うまく行っていないところは失敗した点をピンポイントで伝え、その人の人格を非難しないような言い方をする。その後、またその人の評価できるポイントを伝える。」
 
つまり「ポジティブなことの中にネガティブをサンドイッチする」ということだ。


ということで、

「Zoom授業をしている先生のことは好きで、その先生の授業では基礎が学べて、雰囲気もすごく良いこと、この学校のことは好きだし、他の先生も素晴らしく、今回の一件は残念である」

ことをつけ加えた。
 
すると、
「わざわざ時間を割いてのフィードバック、ありがとうございます。良いコメントも悪いコメントもサービス向上には必要ですので、ありがたいです。当該の教師とは話し合います。」
といった内容のフランス語の返信があった。
 
しかしだ。
 
よく見ると、Ccに当該先生だけでなく、受付係と、私の夏の講座を担当した別の先生が入っている。

これって必要?
いやあ、職場内で内容共有するならお客さんに見えないようにBccに入れるべきでしょ。
クレームしたお客である私がどう思うか、全く考えてない対応。

 

この校長先生、フランス語上達についての相談に親身になってくれたし、私も学校に顔出すときは挨拶したりして、いい感じだったのになあ。
 

相方、
「ヒロ、モンスタークレーマーに認定されちゃったんだね。」
と苦笑。

 

宿題を昨日提出した後には、いつものような当該先生からの受領メールはなかった。

気まずい。
 
今夜も授業がある。
 
どうしましょ。
 
               *****
 


「日本人女性ってミステリアスで、上品で、優しいけど、何考えてるか分からないのよね。」
と新しく知り合ったインドネシア人の女の子が言った。
 
「いやあ、私はおしゃべりだし、典型的な日本人ではないけどねー」
と笑って返したけれど、彼女は私の(彼女への)褒め言葉など言動を警戒しているようだ。
 
「建前と本音」

という言葉は日本語にしかないと聞いたことがあるけれど、外資系で働いていた時は結構外国人もこのテク(?)使うよな、と思っていた。

特にアメリカ人。表情が厳しくても、相手を言葉上褒めていたり、感謝していたりすると、同国の相手に伝わるようだ。

逆も然りで、大袈裟な褒め方やきらきらするポジティブさで文面はすごーく感じが良いのだが、会ってみると大したことなかったりする。
 
でも外国人はあまり日本人みたいにキャラを作ったり、空気読んだりしないのかな。

私の経験上、多少すると思うけどな。だからこそ、世界ベストセラーの自己啓発本とか動画とかで
「自分のありのままでいなさい」
とか言うんじゃないだろうか。
 


それを考えると、大抵のフランス人は「ありのまま」というか「感情のまま」な気がする。

フランス語のアナ雪もレリゴーというよりは、

「(自分の気持ちを)解放しなさい!」

とかいう歌詞。

すでに解放している人が多いんじゃないかなあ。
一対一でコーヒーかと思ったら、相手の友だちが大勢来てパーティーになったり、相手の寡黙な彼氏さんが現れ、気まずいのでこっちが帰ることになったり。
パーティーの場所や時間が当日の待ち合わせ30分前に決まることもあるようだ。

しかも、日本人側が催促して待ち合わせ30分前なので、催促しなかったらどうなっていたんだろう?という感じである。
 
もしくは、企画当時はパーティーに来るのにノリノリなのに、土壇場で
「今日は仕事が忙しいから」
「(理由を言わずに)今日は来れないや」
とかもある。
本当に気ままである。
 
まあ、肩の力が抜けていて良いのかもしれないけれど。


もし私がフランス式を採用するなら、きっとなんのイベントにも出れない。
イベント直前で、そのイベントが自分の中で重くなってきて、面倒になってきて、スケジュールから無くしてしまいたい衝動に駆られるからだ。
 
きっとそんな「イベント消したい」潜在意識があるからこそ、
大学生時代にバイトのシフトを忘れて出勤し忘れたり、
土曜朝のフランス語授業を忘れたり、
(語学学校で)一旦設定した振替授業を別の日に変更したくなったり、
外出禁止令が出てからの歯医者(歯医者は行って良いらしい)の予約をうっかりすっぽかしたり、

と、ヘマというか、凡ミスというか、をしてしまうのだろう。


情けないが、もしかしたら私もどこかでフランス人的な、テキトーなところがあるのだろう。
 
              *****
 
最近、テディベアのようなフランス人に会った(描写が失礼)。
しきりに「ソーシャルワーカーの仕事が忙しすぎる」とぼやいていたので、2度目に会った際に、
「でも、あなたってすごいよね!だって20:00くらいまで残業したのに、ほぼ毎日外国人イベントに出てるでしょ?どうやってワークライフバランス取ってるの?」
と聞いたら、
 
「いやあ、こう見えても僕は内気なんだよね。だから1人の時間が必要で。でも人とは会いたいから、仕事後に家に帰る前にイベントに寄るようにしているんだよ。ヒロコが言うように仕事の後に家に直行していたら、そもそもイベントに出る気なくなるよ。」
「僕はね、最初は参加するって言ってたのに、直前になって『いやあ、仕事があるから』とか、『別の予定があるから』とかは嫌いなんだよ。僕が参加するって言った時は、絶対参加するってこと。それを守ってるんだ。」
とのことだ。
素晴らしいじゃないか!
 


このテディベアさん(いや、止めろ)はすごく優しくて外交的なのだ。
最近、どこの誰かか知らない外国人女性がFBメッセンジャーで連絡を取ってきて

「彼氏からDVを受けているのだが、フランスの法律や、警察への届け出等、どうすればいいか分からない」

と言う。このテディベアは「なんで知らない人から?」と疑いつつも、話を聞いてあげて、別の日に警察の前で待ち合わせ、女性の話を一部始終、警察に翻訳してあげたそうだ。
 
バカンス時期は東ヨーロッパに行くのが好きで、よく1人で乗り込んで、地元のバーに入り浸って常連になり、地元の人や他の旅行客と友達になる。1人で旅行した方が、新しい人と知り合えるから、という理由らしい。
 
テディベア、やるじゃないか!
 
彼は私の好きなフランス人になった。
良識があって、優しくて、社交的だけれど、でもちゃんと自分の時間と世界を持っていて、かつ、人との約束を守れる。
フランスに来て、彼みたいにちゃんとした人に会ったことはない。
 


「ヒロコ、ジョークだけどね、神はフランスを世界一美しい国にした。でもそうすると世界中の人たちが嫉妬するから、釣り合いを取るために神はクソな人間をありったけフランスに詰め込んだんだ(笑)」
とはジュエリー学校で私のクラスの学級長をしていたセバスチャンの言葉である。
 

嘘か誠か。
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