ニート in パリ - 行けっ森蔵!

偶然フランスはパリに移住することになった30代女子の生活。なぜか画家のベルト・モリゾに惹かれている。

暴走する猫、しけてるパリ

「猫(飼うの)ってそんなに大変ですかね?」
と相方の職場の女の子が言った。


いやあ、それがもう、大変なんですよ。
 
朝は相方の早朝シフトに対応した時間(6:30起床)に起き、私が19:30に起きるまで部屋中を駆け回ったり、私の足にかぶりついてくる。
私が起きた後は、可愛げに
「ふにゃあー(ハート)」と挨拶、窓を開けて外に出してくれ、と言ってくる。
リードをつけて外に出すとご満悦。朝の空気と通りの景色を眺めている。それも知らない人が目の前を通るとビビって部屋の中へ。当然リードをつけているので、床に到達する前に宙ぶらりんになり、「にゃあああ!リードを外してくれ!」と鳴く。
 
窓を閉めてリードを離してやると、ゴロゴロ満足そうに喉を鳴らし、「さあ、今度は遊んでくれ」と私の足に絡みつく。
5分、10分遊んだ後、ぱたっと止めてヨガを始めると最初は「ミャー、ミャー」と不満そうに鳴く。場合によっては私の背中に乗ったり、ヨガマットと私の間に体を挟んできたりとかする。4キロの重りが乗ったままのヨガはキツい。
 
ヨガが終わると「やっと終わったね、さあ、遊んで」と鳴いてくる。
私は「朝ごはん食べさせてくれよ」と返事するものの、まん丸お目目に見つめられる。負けた。5分ほど遊ぶ。


朝ごはん準備中も食べている間もこっちをみてミャーミャー鳴く。
さて片付けようと椅子から立ち上がると、私が立ち上がるときは遊んでもらえると思っているようで、こっちをしきりに見つめて遊べと言ってくる。5分遊ぶ。
 
フランス語の勉強中は無視する。
すると、「うううううー、わうー!」とドスの効いた声で吠えながら、家中を駆け回る。私も負けずに「わう!わう!」と怒鳴り返す。すると驚いて一瞬静かになるが、「ふにゃあ?ふにゃあ?」とぶりっ子声で「私は何も悪いことしてないよ。さあ遊んで」と言ってくる。心を鬼にして無視する。ウチの猫はまたライオンごっこをして吠えながら駆け回る。
これが昼まで続く。
 
13:00ごろ運が良ければ相方の椅子の上で寝始めるが、運が悪い日は、遊ぶ→無視する(自分のやらないといけないことに集中する)→ライオンごっこ→ぶりっこ、の繰り返しが16:00くらいまで続く。
やっと寝付くと、だいたい18:00か19:00ごろまで寝こむ。


その後、また「遊んで」が始まり、その後なぜか20:00から22:00ごろまで寝る。
その後は完全に元気になり、また「遊べ!ふにゃー!」と鳴いたり、飼い主たちに無視されてライオンごっこ発動。


飼い主が寝ている間は日頃禁止されている台所の作業台に飛び乗ったり、ダイニングテーブルに乗ったりする。なにせドタドタ音がするし、朝起きると物が落ちているので、こっちにはバレてるぞ。


夜中過ぎると、飼い主たちの体の上に乗っかり、ゴロゴロ鳴きながらうとうとする。
ネズミがどうやら台所の裏で駆け回っているが、ウチの猫は私たちのベッドで寝てるので、ネズミもビビってないようだ。
 
昨夜は猫が夜中に台所に侵入したのが聞こえたが、放置しておいた。ネズミにウチの猫の存在を知らしめないといけない。何せウチの猫は狂ったライオンなのだ。
昨夜から今朝にかけてはネズミの音がしなかった。猫の効果があったのか?
 
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「いやあ、ずっと話したいと思っていたけれど、今夜は話せて良かったよ!君ってホントに明るいよね!こっちまで元気になったよ!」
と、最近出会ったイケイケな感じのインド人が言ってきた。
彼はつい最近自分が管理していたレストランを辞めて転職中だ。仕事がない中の外出禁止令で外国人コミュニティー内の夕食などのイベントが減っている中、お金や将来の不安に向き合わなければいけなくなり、押し潰されそうだ、とのことだ。
 
インターンシップ先を探してくれてビザ更新を手伝ってくれたモロッコ人の女の子もなかなか転職先が見つからず、気分が落ち込んでいるらしい。元気かどうか、またランチやお茶はどうか、と毎週のように声をかけてくれていたので、音信不通になった時はびっくりした。
 


今のコロナ状況下で家計が苦しく、悩んでいる人はたくさんいるだろう。
私の場合は相方が働いているので最悪頼ることができるが、それでもインターン後就職できるかは不安だし、もし自分のジュエリーブランドを立ち上げたとしても売れるかどうか、生活していけるかどうか、は不安だ。


パリで自分の経済力で生活している外国人たちにとっては私の悩みは甘い悩みかもしれない(「いざとなったら旦那さんに頼れるんだから、くよくよすんな」みたいな)。

が、読者の方々が大学4年生の頃に就職に苦労していたら、それを思い出してほしい。

いざとなれば実家に頼れるが、そもそも実家に頼りたかったか?

成人してもなお、両親の経済的な重荷になりたかったか?

なりたくなかったんじゃないだろうか。

私の場合も同じだ。あまり相方に頼りたくない。もう2年も職がないし、海外旅行にも行けていない。自分の足で立ちたい。どげんかせんといかんのだ。
 


インターン先のジュエリーを作るオバ様も、お客さんからのオーダーがなかなか入らないと焦っていた。生活費が苦しいので、政府の補助を申請したが、悪名高いフランスの事務対応のせいで、なんと補助が受けられないばかりか「まだ補助を受けたいならもう一度申請をしなおしてくれ」と言われたらしい。なんてこったい。
自営業も厳しいなあ。
 


今のコロナを生き抜くには、やっぱりソフトウェアエンジニアやITデザイナーなどの技術職が強いんだろうな。
私がその分野に興味があればねえ、、、結局、私が興味があるのは料理やお菓子作りやジュエリー作りなど、手作業系なのよねえ。どう考えたって、給与高い系ではない。どうやってもお金に苦しむ運命なのか?それとも、やっぱ、みんな考えるようにYouTuberにでもなるしかないのか?でもどうやって人気になるわけ?
 


ぷふう。
 


フランス人は難しいこと、嫌なこと、検討もつかないことを聞かれた時、必ず「ぷふう」と息を吐く。
 
 
人生、本当にぷふうである。
 
 
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