ニート in パリ - 行けっ森蔵!

偶然フランスはパリに移住することになった30代女子の生活。なぜか画家のベルト・モリゾに惹かれている。

(よもやま話)郵便受けはワンダーランド

いつも何かを待ってしまう私がいる。郵便受けをのぞいたり、Lineをチェックしたり(通知をオンにしていないからだが)、Gmailをのぞいたり、FBやInstagramをのぞいたり。別に自分が何か仕掛けているわけではない。誰かに手紙やメールを出したわけではないし、写真を投稿したわけではない。でもなぜかそこにはおもしろいものが転がっている気がしてのぞいてしまう。刺激を外界に求めるタイプなのかもしれない。

 

自分で何か表現して他人に見せることにはあまり興味がない。昔は手芸やら工作、スケッチをしたら必ず両親や祖父母に見せたものだ。褒めてもらえるとうれしい。その日は1日褒め言葉がぐるぐる頭の中を回って、幸せに過ごせる。でもそのうち、祖父が自分の作品を家族に見せ、人に褒めてもらうことを求めているのを見ると、すーっと自己顕示欲が消えていった。私はあまのじゃくなのだ。

 

パティシエを目指して仕事をしながら週末コルドンブルーに通ったことも、自己顕示欲が消えた一因かもしれない。どれほどベストを尽くしてケーキを一台完成させてても、あたりまえだが先生役のフランス人シェフの出来とは天と地との違い。レッスンがあるごとに一人一台ケーキを完成させ、出来上がりを見せて採点してもらうのだが、褒められることはまずない。とにかく「仕上がりが汚い」の一点張りである。他の主婦たちも落ち込んでいる。でも、そんな「出来ない生徒」たち同士でお互い「〜さんのケーキは綺麗」など比べあっていたのだから、今考えてみると視点が狭かったかもしれない。ケーキを散々こき下ろされた、褒められて育つタイプの私は、しばらくケーキを見ても食べてもつまらなくなった。そのうち自分でも気がつかないうちにケーキ作成を再開していてまた家族に味を褒められると意欲が復活する。でも、卒業した他の生徒のように海外で修行したり、自宅で教室を開いたりすることには全く興味がなくなってしまった。自分で楽しく作れれば十分だ。私はレシピを「読書」したり収集したりするのが大好きだ。クックパッドはもう飽きてきて、英語でGoogle検索、海外のレシピを辞書を引きながら作ったり、海外のレシピサイトにメルマガ登録したりする。Gmailで不要なメールを整理していても、レシピのメールは断捨離できない。同じレシピで同じケーキを作ることはまずない。私はただケーキが作りたいだけなのである。

 

しかし、私の同居人が「もし会社辞めて独立したいなら、自分のやっていることを外に発信しないとチャンスは訪れない」と至極真っ当なことを言った。それでブラックホールに向けて発信している気がするので(いや、絶対そうだ)続かなかったブログを再開してみたわけである。まだ読者はいない。あわよくば10年後か20年後、なんらかの形で自分が成功している仮定して、このブログを振り返ったら案外おもしろいかもしれないと思っている。待ってろよ、自分。成功させてやるから。と強気に書いておくことにする。

f:id:hyper21:20180929113821j:plain

Instagram: @hiroko87yamamoto